企画展

企画展

1994年2月11日(金) 〜 1994年3月9日(水)

日本画の抽象 —その日本的特質

全室

  • 終了

1994年2月11日(金)~3月9日(水)
10時~18時30分 木曜休館

一般500(400)円
高・大生300(200)円
小・中生100円(50)円 ※( )内は20名以上の団体料金

欧米の抽象表現の影響を受けた日本の洋画の動向に刺激を受け、日本画でも様々な抽象表現が試みられてきました。「日本画」における抽象表現が高まりを見せた1950~60年代を中心に、パンリアル美術協会・ケラ美術協会、日展等の作例を入れた70余点を展示することで、従来探究されることのなかった日本画における抽象の問題を考えようとするものです。

概要

「日本画」という伝統的と考えられているジャンルでも、昭和前期において前衛的な活動を行っていた作家や、戦後も特に50~60年代においては、欧米の抽象表現の紹介とその影響を受けた当時の日本の洋画の動向に刺激を受け、日展から在野グループにいたるまで、様々の抽象表現が試みられてきました。

そこでは欧米の新しい絵画思潮の影響を受けつつも、他の油絵等と異なった特異な日本的な表現が指摘できるように思われます。それは、合理的な造形的洗練を求める抽象というよりは、具象的な形体を残し、むしろ極めて有機的な存在への探究は象徴的な形をとり、時には宗教的な雰囲気さえたたえるものとなります。

また、一方ではコラージュをほどこし、また顔料に他の物を混ぜ合わすなど、様々の材質上の試行を行い、より物質性の強い志向を見せるものもあります。

本展は、特に「日本画」における抽象表現があるたかまりを見せた1950~60年代を中心に、パンリアル美術協会・ケラ美術協会などのいわゆる在野の作家たちの他に、日展等の作例も入れた70余点を展示することで、従来探究されることのなかった日本画における抽象の問題をかんがえようとするものです。

そこでは既存の「日本画」を脱しつつも、いかに日本近代的な特殊なかたちで伝統と結びついているのでしょうか。その特質を考察することは、ひとり「日本画」という近代の特殊地帯だけの問題ではなく、現代にもかかわる日本における抽象の孕む極めて重要なポイントを浮かび上がらすことともなりましょう。

「日本画」的イメージの現代における独特の在り方につき考えてみようとする試みです。

関連企画

■シンポジウム
2月26日(土)14時~16時
北沢憲昭(美術批評)/中村英樹(美術批評)/天野一夫(司会・O美術館学芸員)

■ギャラリートーク
2月12日・19日・3月5日(土)14時~15時
天野一夫(O美術館学芸員)

チラシなど

チラシダウンロード

図録

図録はこちらから購入できます

PAGE TOP