企画展

企画展

1989年1月27日(金) 〜 1989年2月22日(水)

鳥の歌・翔く形象 下村良之介展 

全室

  • 終了

1989年1月27日(金)~2月22日(水)
前期 1月27日(金)~2月8日(水)
後期 2月10日(金)~22日(水)
10時~18時30分 木曜休館

一般500(400)円
高・大生300(200)円
小・中生100円(50)円 ※( )内は20名以上の団体料金

戦後日本画の革新者であり、現代美術界の中で独自の存在として知られる下村良之介の初の本格的な回顧展。 代表作50数点と銅版画、“やけもの”を含め展示し、下村氏の全貌を初めて明らかにしました。

概要

戦後日本画の革新者であり、現代美術界の中で独自の存在として知られる、下村良之介氏の初めての本格的な回顧展を開催します。  

下村氏は、1923(大正12)年、能楽師を父として大阪で生まれ、1943(昭和18)年、京都市立絵画専門学校(現・京都市立芸術大学)を卒業。
戦後には、1949(昭和24)年、京都を中心に活動していた、当時の前衛的な意志あふれる若手日本画家たちと、パンリアル美術協会の結成に参加し、日本画画壇の因習的な体質への抵抗と、日本画の膠彩芸術としての表現の可能性の拡張をめざしました。
その後、氏は今日まで、同会の中心的作家として活動しています。

またその他に、日本国際美術展、現代日本美術展等に出品、国外においても、ピッツバーグ国際現代絵画彫刻展、サンパウロ・ビエンナーレ展などにそれぞれ参加し、既存の日本画の範疇を超えて、幅広く活躍してきました。  

その作品は、初期にはキュビズム的な群像表現から始まりますが、しだいに鳥にテーマを集中させ、画面は線描を主体とした鋭い造形感覚が漲っています。
また、1959(昭和34)年頃からは、紙粘土を画面に盛り上げ、その上に彩色する独自の手法で、情念を象形文字のような有機的形態にこめはじめます。
その後、古代壁画・レリーフからインパクトを得て、その作風は、より強靱でモニュメンタルなものとなっていきます。

さらに、1973(昭和48)年頃からは、再び紙本に顔料で描くようになり、「闘鶏屏風」などの作品では、抽象的形態を内に含みながら、独特の張り詰めた空間を表わしました。
近年では、紙粘土・彩色・コラージュ等を自由に屈指して画面を構成し、今日に至っています。  

また、氏は、他にも銅版画、“やけもの”(焼き物)の個展も数多く、舞台美術も行うといった多才ぶりをみせています。  

本展は、このような多彩な表現をみせながらも、一貫して鳥を主たるモチーフとして、緊張度の高い生命感を表現してきた氏の全貌を、その代表作50数点に銅版画、“やけもの”を含め展示することで、初めて明らかにするものです。

※下村良之介氏は1998年12月永眠なされました。ここに謹んで哀悼の意を表します。

関連企画

■講演 
「私の画業—過去・現在・未来」
日時 1989年1月28日(土)14時
会場 大崎ニューシティ内別会場
講師 下村良之介

※本展は大阪展としても開催されました。
会期 1989年3月3日(金)~3月15日(水)
会場 京阪ギャラリー・オブ・アーツ・アンド・サイエンス(京阪百貨店7階)
主催 朝日新聞社

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